新書 新書 ● 208ページ
ISBN:978-4-309-63118-9 ● Cコード:0293
発売日:2020.03.25
定価858円(本体780円)
○在庫あり
-
河出新書で「北野武の最新小説」が登場! 「利口はやらない、バカじゃできない、一途な人たち。」(北野武)の物語が、幕を開ける。
河出新書に「北野武」登場!
「生きるか死ぬかのシチュエーションも、
ドンと引けば笑えてしまう。」――北野武
全てを数学に置き換えるインテリ親分とその任侠(「理系ヤクザ」)、
突然「ピアノを始める!」と言い出した親分を巡り繰り広げられる大騒動(「ヤクザのピアニスト」)、
集まればグチとゴシップ三昧、どうしょうもないオヤジ達のある一夜(「粗忽飲み屋 二〇二〇 春」)、
さらに浅草時代に「俺」が体験した「面白くて怖い人」たちとの零れ噺(「愉快な人達」)まで、
時事ネタ満載! 文豪・北野が現代日本のモヤモヤを「小説」で吹き飛ばす!
◉ ◉ ◉
「まず、俺のシマに五カ所潰さなきゃいけねえ事務所があるとしよう、いいか?」
「へい!」と全員かしこまって返事をする。
「事務所には組長、若頭、兄弟分、子分、舎弟の五人がいるとする」
皆ガックリした。もう講義は始まっていた。
「これと同じ事務所が五つあるとして、ウチから五人のヒットマンを各事務所に送り込ませる」
来た来た、やっと本題に入った!と斉藤以下組長達は興奮した。
「しかし拳銃には一発しか玉が入ってない。だから殺せるのは一人だけだ。皆組長を狙いたいが、一発だけなので誰かを弾ければいい。これが五つの事務所で起るわけだ。そうすると何パターンの五人の死体が考えられるか? これが問題だ! 皆組長、皆子分とか五体とも同じ場合は一パターンとする」
ヤクザ達はまた固まった。
(「理系ヤクザ」より)
著者
北野 武 (キタノ タケシ)
ビートたけし。1947年、東京都足立区生まれ。72年ツービート結成。89年『その男、凶暴につき』で映画監督デビュー。97年『HANA-BI』でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。著書多数。
この本の感想をお寄せください
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお気軽にお寄せください。
投稿された内容は、弊社ホームページや新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
※は必須項目です。恐縮ですが、必ずご記入をお願いいたします。
※こちらにお送り頂いたご質問やご要望などに関しましては、お返事することができません。
あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ