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単行本

サイゴノキョウダイ

最後の兄弟

ナタシャ・アパナー

藤沢 満子

石上 健二

受賞
全国学校図書館協議会選定図書

単行本 46 ● 184ページ
ISBN:978-4-309-20775-9 ● Cコード:0097
発売日:2019.08.06

定価2,530円(本体2,300円)

×品切・重版未定

  • アフリカ・マダガスカル島東方モーリシャス出身の女性作家による10歳の少年を主人公にした美しく哀しい小説。フランスのフナック小説賞など数々の賞に輝き、16カ国に翻訳された名作。

    金髪のその外国人少年は私の心の支えだった。彼は私の背中で疲れ切って死んだ……。
    本邦初紹介の若手女性作家! フランス語圏で活躍する新しい才能!
    南国の荒々しい自然の中で繰り広げられる地元の少年と収容所暮らしの謎の少年とのみずみずしい心の交流と、あまりに無残な最後を、強烈な筆致で描く永遠の青春小説!

    【内容】
    アフリカのマダガスカル島東方沖の小島国モーリシャス。砂糖工場とサトウキビ畑、暴力を繰り返す父、
    薬草に詳しい優しい母、兄と弟、川への水汲み、燃える太陽と激しい雨。
     サイクロンが見舞って、主人公の10歳の少年ラジは兄と弟を失い、つまり両親としては同時にふたりの子供を失い、一家は生活を変えるため刑務所の近くへ引っ越す。
     その刑務所に不思議な拘留者たちがいた。そのひとりの少年ダヴィッドとラジは友情を結ぶが、結末は厳しいものだった。騒動に紛れて刑務所から逃走したダヴィッドは、手助けしたラジとともに三日間の過酷な彷徨のすえ、マラリアをこじらせて死んでしまう。そしてラジは小児麻痺にかかって警官たちに捕まる。
    この残酷な形で終わった遠い記憶を、初老のラジが回想する。



    著者 ナタシャ・アパナー
    1973年、アフリカ東部沖にあるモーリシャス共和国モーリス島のマエブールで生まれた女性作家。
    ジャーナリストとして当地で仕事を始め、1998年にフランスのグルノーブルとリヨンでジャーナリズムと出版の勉学を継続する。本書でフナック小説賞、エクスプレス誌読者賞、文化図書館賞など各賞受賞。
    本書以外の小説に《プードル・ドールの岩山》(RFO〔フランス海外報道〕文学賞受賞)、《ブルー・ベイ・パラス》(インド洋・太平洋文学大賞受賞)、《アンナの婚礼》、《明日を待ちながら》、《暴力の南回帰線》(フェミナ・デ・リセアン賞、アカデミー・フランセーズ・アンナ・ド・ノエル賞受賞)、短編集に《亡霊たちへの小さな賛辞》、《明かりの年》がある。

    訳者 藤沢満子(ふじさわ・みちこ)
    1972年、獨協大学フランス語学科卒業。フランスの文化、伝統を学び、とくにフランス女性の自己を主張する生き方が日本女性と異なることに新鮮な驚きを感じ、シドニー=ガブリエル・コレット(1873-1954)を卒論のテーマとする。
    2008年以降、経済産業省および UNIDO(国際 連合工業開発機関)のアジア支援事業の一環で、繊維製品の商品開発の専門家としてラオスに長期滞在をする。現在、カンボジアのプノンペン在住。

    訳者 石上健二(いしがみ・けんじ)
    1949年、東京生まれ。1969年よりパリ大学のフランス言語文明講座受講後、パリ美術大学、同中退。
    絵描きとして1978年までパリに住む。その後30余年、コートジボワール共和国、セネガル、ギニア、マリ、モーリタニア、コンゴ民主共和国など、フランス語圏に滞在。
    訳書に、チエルノ・モネネムボの2作品、『カヘルの王』(2008年ルノドー賞受賞、現代企画室2013年)、『プル族』(現代企画室2014年)がある。現在、パリおよびブルゴーニュ地方に滞在。

  • 【目次】
    1 十歳の墓
    2 兄と弟
    3 新たな地
    4 ブロンドの巻き毛
    5 最初のクリスマス
    6 刑務所のなかの病院
    7 再会を待って
    8 脱 出
    9 赤いインコ
    10 逃 走
    11 彷 徨 Ⅰ
    12 彷 徨 Ⅱ
    13 哀 歌
    14 はずされたダヴィデの星
    15 墓地の小さなセレモニー

著者

ナタシャ・アパナー (アパナー,N)

1973年、アフリカ東部沖モーリシャス出身の女性作家。ジャーナリストとして故国で活動後、フランスのグルノーブルなどに学ぶ。著作は『ブルー・ベイ・パラス』『暴力の南回帰線』『明日を待ちながら』など多数。

藤沢 満子 (フジサワ ミチコ)

獨協大学フランス語科卒業。シドニー=ガブリエル・コレットをはじめ、フランスの女性作家に関心をもつ。マレーシア、ラオス、カンボジアで開発援助、技術指導のため長期滞在。現在はプノンペン在住。

石上 健二 (イシガミ ケンジ)

1949年、東京生まれ。パリ大学フランス言語文明講座を経て、パリ美術大学に学ぶ。絵描きとして1978年までパリ在住後、アフリカのフランス語圏各国に滞在。チエルノ・モネネムボの2作品を翻訳出版。

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