二十世紀後半に出現した新たなる神話の創造者。
血と愛憎の紀州サーガは無類の世界文学に昇華する

全集・シリーズ

ナカガミケンジ

中上健次

中上 健次

受賞
全国学校図書館協議会選定図書

単行本 46変形 ● 500ページ
ISBN:978-4-309-72893-3 ● Cコード:0393
発売日:2015.01.14

定価3,080円(本体2,800円)

○在庫あり

  • 母をモデルにした長編「鳳仙花」、『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」他短編、故郷・紀州のルポ作品等を収録。欲望と悲しみ・憤りを辺境の地・熊野を舞台に描いた中上健次の小宇宙。

    *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

    辺境は実は世界の中心である。熊野を舞台に、欲望・悲しみ・憤り、すなわち人間の本然を書いた作品群を再構成し、彼の小宇宙を現出する。
    ――池澤夏樹

    【ぼくがこれを選んだ理由】
    わずか一世代前、人はこんなにも奔放に生きていた。恋情も憎悪も今よりずっと強烈に作用した。今の貧血の時代に中上健次は危ないかもしれないが、だからこそ彼が読まれるべきなのだ。彼の世界への入口として、奔放な女であり強い母であるフサの物語を供する。(池澤)

    望まれぬ子として生を享けた美しき少女フサは、十五の春に運命の地へと旅立つ――
    三部作『岬』『枯木灘』『地の果て 至上の時』の前史となる、過酷な運命を力強く奔放に生きた母の物語「鳳仙花」。
    若死にの宿業を背負う中本一統の荒くれ者達を、路地唯一の産婆オリュウノオバが幻惑的に語る『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」「ラプラタ綺譚」。
    他、虚実のあわいを描いた怪奇譚『熊野集』と、神話の源である故郷を活写したルポ『紀州』より五編を収録。
    作中登場人物系図他、充実の参考資料付。

    参考資料・年譜=市川真人
    解説=池澤夏樹
    月報=東浩紀・星野智幸

    帯写真=蜷川実花

  • 鳳仙花
    半蔵の鳥
    ラプラタ綺譚
    不死
    勝浦
    鬼の話

    古座
    紀伊大島

著者

中上 健次 (ナカガミ ケンジ)

1946年和歌山県生まれ。74年『十九歳の地図』でデビュー。76年『岬』で芥川賞、77年『枯木灘』で毎日出版文化賞、芸術選奨新人賞を受賞。他の作品に『千年の愉楽』『地の果て 至上の時』『日輪の翼』等。

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