読者の声 最新一覧
ご投稿いただいた最新の読者の声をご紹介しています。
皆川博子随筆精華Ⅱ 書物の森への招待
皆川 博子 著 日下 三蔵 編
★2021.10.03 素敵な本をありがとうございます。
皆川様の作品はもちろんの事、日下様の仕事にも、いつも楽しませて頂いております。
私が日下様のお名前を意識したのは、ちくま文庫の怪奇探偵小説傑作選3久生十蘭集からでしょうか。
十蘭といえば、定本久生十蘭全集2巻月報に、皆川様が素晴らしい文章を寄稿していらっしゃいましたね。今度の第二集には載りませんでしたけれど、私が皆川様の作品を読むきっかけになったのがそれなので、忘れがたい文章です。
随筆精華、第三集も楽しみにしております。
スガリさんの感想文は絶え間ない嵐の中
平田 駒 著
★2021.09.01 スガリさんの斜め上な読書感想文とそれに対する直山先生の素直すぎる反応はいつも新鮮です。
痛快な話の中にも複雑な問題が隠されていて、時々直山先生の二の舞を踏むので油断できません笑
少し作文を書くことが楽になりました。
スガリさんありがとうッッッ
福島モノローグ
いとう せいこう 著
★2021.08.30 この本は,オムニバス形式で様々な震災被災者の語りを聴いているような雰囲気になる不思議な本でした.どの話も印象的ですが,とりわけ津波で父を亡くした若い女性の「震災でプツッと断ち切られてしまったんですよ,その先あったはずの未来というか,父とやるはずだったいろんなものが」という言葉が心に残りました.
私は妻を5年半前に病気で亡くしましたが,私たちには2人の娘と一人の息子がいます.当然,妻は彼らの母親でした.娘たちと息子にも喪失感があり,彼らが,本書の父を亡くした女性と同じことを感じただろうと気づかされました.もっぱら私はおのれの喪失感ばかり考えてきました.自己中心だったなと少し反省させられました.
破局
遠野 遥 著
★2021.08.29 今一つ著者の世界観が理解できませんでした。学生ながらそこそこ裕福な生活で、一見恵まれた生活。そこそこ欲はあり他者に配慮できる。ただ、感情もなく与えられたものに満足して、心は全く満たされていない。どこか他人事。それをゾンビに喩えているのでしょうか。一点強い感情が起こった時に悲劇。感情がなくなるとはどういうことは?を描いたのかな?
世阿弥最後の花
藤沢 周 著
★2021.08.27 これほど世阿弥の息遣いが感じられる能楽-小説には初めて出会いました。
ああ、作者は明らかに能楽の心得があるなと直感しました。そして世阿弥の著作に関する深い理解と敬意が感じられました。
最晩年の世阿弥がどんな生涯を終えたのかは誰にもわかりません。だから創作(小説)のテーマとなることが多いのですが、世阿弥をシテに、亡き子元雅をワキに(あるいは「二人静」の両シテのように)物語が進んでゆく過程は見事な筆致で、いつまでも世阿弥に生きてほしいと思いました。
真っ先に「西行桜」を観てみたいと思いました。
一番わかりやすい!SDGsのざっくり知識
国際時事アナリスツ 編
★2021.08.25 SDGsの概要がざっくりとわかるコンパクトな一冊だった。話題が話題なので、日常会話の話題提供だけでなく面接などにも役立った。
可能であれば他の最新本も含めて、Kindleでも読みたい。
東京ディストピア日記
桜庭 一樹 著
★2021.08.21 ずっと気になっていた作家さんでしたが、ちょっと怖いかなあと手に取ってはもどしをくり返していましたが、コロナ禍の東京で作家さんはどうやって暮らしていたのか、どんなことを思っていたのか気になって一心不乱に読みました。その後、東京で就職した娘の本棚から、桜庭さんのたくさんの本を見つけそれも読みました。みんな面白いです。2021夏は桜庭一樹一色です。このあとの日記も読みたいです。楽しみにしています。感染拡大がさらにひどくなった東京でさぞ大変だろうなあ、そのなかでどうしているんだろうなあ、自分の娘たちのことを考えたり、私も学生時代は東京ですごしたので、また行きたくなりました。早くコロナが終わると良いなあ、本当に良い本と出会えました。感謝感謝です。さて、もう一回読もう!
日航123便墜落 疑惑のはじまり
青山 透子 著
★2021.08.21 青山透子氏の著書はすべて読んでいます。この文庫本の元本の単行本ももちろん読んでいます。忘れていた内容も多く、怒りと悲しみを新たにしました。私は高校、予備校、大学の同級生を失いました。彼は大坂の病院に勤める30歳の青年外科医でした。東京に研修に行き、伊丹空港で待つ婚約者と会うために123便の2階席に乗ったのでした。自宅に線香をあげに行った時に、彼の母親が「飛行機で行き来せんと、新幹線にしたら、事故がこわい」とたしなめると、「乗るのはジャンボじゃけん、絶対大丈夫」と言っていたと話されていました。単独機で世界最悪の事故ですから、日本政府には、すべての情報を開示する責任があると思います。このコロナ禍の時代、青山氏の誠実さと勇気にすがすがしさを覚えます。この本が一人でも多くの人に読まれることを望みます。
アフガニスタン史
前田 耕作/山根 聡 著
★2021.08.17 8月16日、タリバンが20ねんぶりに政権を奪還しました。
「なぜ、タリバンは再び権力を握ったのか。これから何を行うのか」との声が上がっています。
アフガニスタンの歴史を知らないと理解できません。
アフガニスタンに対する関心が高まっている今、品切れとなっている本書の復刊を強く望みます。
努力する人は報われない
菅原 圭 著
★2021.08.13 夏休みの課題で読書感想文が出てたので本屋さんに行った時、この本めっちゃ面白そうって思って購入しました。なんか、私が思ってた努力の仕方と違ってまた新しい視点から見ることが出来てあ、そういう考え方もあるんや〜なんておもいながら読んでました。私はこの本の中で1章が1番好きです。努力しても結果がそれなりの結果ではなかったりと努力に対して悩んでいた頃もあったのでなんか読み終わった後スッキリした気になって皆にこれ読んでもらいたいなって思いました。読書感想文をきっかけにこの本に出会えて良かったです!!
日航123便 墜落の新事実
青山 透子 著
★2021.08.13 青山さんの関連本が出版され、
一読した時の衝撃!
こんな事があっていいのか!
遺族の方々の無念はいかばかりか…
国あげての隠蔽、残念でなりません。
幻の弦楽器 ヴィオラ・アルタを追い求めて
平野 真敏 著
★2021.08.11 クラシックギターをアマチュアで弾いているものです。音楽の勉強の啓発になればと思い購入しました。感想は「とても感動した」とまず言いたいと思います。楽器との出会い、そしてそれに繋がる人たちとの深い想いが、読んでいる私に伝わり、喜びを与えてくださいました。ヴィオラ・アルタの音色が途絶えず、響き続けることを願ってやみません。Youtubeで2011年のクロアチアの演奏が上がっていますが、素晴らしい音で、著者が人生を賭けたことがわかります。第二次世界大戦でこの音色が、ドイツらしさとともに葬りさられたことは悲しみを覚えます。しかし今見直されてくるならば、善いもの、そしてその心は復活すると、力づけられます。8月ですので、日本のために第二次世界大戦を戦った人たちの名誉、そして日本を大切に思う心も、善い意味で復活してほしいと願います。
科学を語るとはどういうことか
須藤 靖/伊勢田 哲治 著
★2021.07.30 須藤さんと伊勢田さんのとくに因果関係に関する見解の相違が興味深かった。今後とも本書のような書籍を出版してもらいたい。
感傷的な午後の珈琲
小池 真理子 著
★2021.07.27 私も毎日ごはんを作る時、「あ~、めんどうくさい、いやだ。なんで私ばっかり」といつも思います。
私は毎日買い物には行きません。休日にまとめ買いをして、冷蔵庫をフルに使い、冷凍庫には、きのこや旬の野菜、肉類、魚など小分けにして、下ごしらえをして入れてあります。今日は何を作ろうかと考え、冷凍庫から冷蔵庫に移し替えて解凍し、それを使って毎日、きのこスープや炒め物、ポトフやビーフシチューなどの簡単な煮込みを、調味料を計ったりしないで適当に「めんどくさい」と思いながら作っています。
そして、夕食に料理に合ったお酒をちょっと飲むとあなたと同じ私も、「ああ、おいしい、やっぱり自分で作ったものが一番。私って天才かも」と思うのです。そして、夫や娘に「そう思わない?」と言い、無理にも同意を得、満足してまた、翌日も「あ~、めんどくさい。いやだ。なんで私ばっかり」と思いながら、台所に立っています。
一日一考 日本の政治
原 武史 著
★2021.07.26 思想の左右を問わず幅広い人物選定と著者の端的なコメントはお見事。企画力に感嘆。
加えて、著者の専門領域である政治思想史の中にお得意分野の天皇と鉄道を見事に織り交ぜています。鉄道に関してはご本人は「テツ」ではないとおっしゃっていますが、社会的に認知されてきた「テツ」の奥深さ(ex明治に始まる鉄道網はお召列車の運行に定時運行に重きを置き、当初まず東北方面に延びたことから、海路が残っていた九州に比べ時計屋の数が福島、山形で100件ほどあった頃に宮崎では0だった等)他誌で述べられているようなことを大いに描く作品を期待しております。
時刻表2万キロという大ベストセラーを出した河出書房新社の更なるご活躍を心から祈念申し上げます。
安野 司 拝
にぎやかな悪夢
高橋 葉介 著
★2021.07.19 お値段以上の満足度で素晴らしいです。
高橋葉介先生の世界は恐ろしくて耽美で最高です。
これからしばらくはこの画集を眺めて高橋葉介沼にうっとり浸かっていたいと思います。
日航123便墜落 疑惑のはじまり
青山 透子 著
★2021.07.18 著者の新作から読みはじめたので、第一弾である本作は物足りなく感じます。
しかし、この本をきっかけに新情報が集まり、事故が未曾有の事件へと様変わりしました。
日航は、無修正のボイスレコーダーを公開するべきです。
総特集 大和和紀
大和 和紀 著
★2021.07.14 7月14日本日、発売日に買わせていただきました。本ムックが発刊されることを知ったときはとても嬉しく、思わず小躍りしてしまったくらいです。特別収録作品が2作(デビュー作まで!)もあること、私が一番好きな大和和紀作品『モンシェリCoCo』もちゃんと取り上げられていること等々、嬉しいことづくめの一冊でした。私にとって正に「モンシェリ」(愛おしく、大切な人)な一冊になりそうです。今夜はアニメ『モンシェリCoCo』の主題歌を聴いてから眠りに就くことにします。
文藝 2021年秋季号
★2021.07.08 遠野遥さんの『教育』
とってもいい意味で
置いてけぼりにされた気分。
読んでる途中も読み終えてからも
気持ちがふらふら落ち着かない。
主人公がとても真っすぐで
真っすぐすぎるからこそ
次第に違和感を抱いてしまった。
読み終えた後、そのことが哀しかった。
どんどん哀しくなってしまった。
真っすぐでやさしい主人公は
とてもとても魅力的だったから。
フランドルの四季暦
マリ・ゲヴェルス 著 宮林 寛 訳
★2021.07.07 自然へのまなざしが細やかでうっとりするような四季折々の描写、それを見事に綴る言葉との出会いも濃密な文学的な喜びを与えてくれます。いつでも手に取れる棚に置き、あたらしい月になると思い出して取り出し、同じ月の章を繰り返し読むのを季節の喜びのひとつにしてまいりました。大野八生さんの表紙や挿絵も本の魅力をさらに高めています。贈り物に喜ばれることも多いので、現在書店で手に入らないことが残念でなりません。なるべく早く重版されることを切に願っております。