読者の声 最新一覧
ご投稿いただいた最新の読者の声をご紹介しています。
呪文
星野 智幸 著
★2015.10.07 「3.11」以降に書かれた作品では「ボラード病」と並ぶ傑作だ。商店街の再生を唱える図領は地方創生を叫ぶA首相を直ちに想起させ、初期ナチスの実働部隊だった突撃隊と相似形の未来系はA政権を支える、いわゆる「B層」の内実そのものだろう。現代日本のファシズムと全体主義の寓話として多くの人に読んでほしいと思った。
呪文
星野 智幸 著
★2015.09.12 二極化とネット社会化が進む現実社会が一つの街に集約された。振りかざされた正義は排外主義を招き、似非武士道たる「クズ道」に陥る敗者の暴走は止まらなくなる。
ネトウヨとネトウヨから飛び出した「保守系市民運動をすぐ想起する。まるで日本社会の近未来を描いたようでそら恐ろしくなった。
ペンギンが教えてくれた物理のはなし
渡辺 佑基 著
★2015.08.25 中学3年生として少し難しい本を読んで見ようと思い読んで見ました。内容はとても面白く興味深いです!作者の体験談や失敗を取り上げながらわかってきたことや不思議に思ったことを何故だろうと考える筆者の気持ちがよくわかる本です。皆さんにも是非読んでもらいたいと思います。
昨夜のカレー、明日のパン
木皿 泉 著
★2015.08.16 ドラマを観て原作を読みました。
じわじわじわーと、薪ストーブのように体の芯が温められていくような、そんな作品でした。
手元に置いて、いつも持ち歩いて読みたい、そんな気持ちにかられました。
是非とも文庫化をお願いします。
14歳からの戦争のリアル
雨宮 処凛 著
★2015.08.15 今まで戦争に関する情報を避けていました。闘うゲームも映画も嫌いです。新聞の興味ないところはとばし読み、だから何も知りませんでした。雨宮さんの以前読んだ本が読みやすかったので知らないとかもう言っていられないこの切羽詰まりの状況でまずはこの本から読んでみようと手に取りました。一気に読みました。これはまずいと思いました。まだ間に合うならもっと色々知らなくてはと考えています。私みたいなマズイ母親が日本にはまだいっぱいいるかもしれません。今年の夏の母親の課題図書としてバンバン売ってください。
世界のエリートは人前で話す力をどう身につけるか?
赤阪 清隆 著
★2015.08.10 多くの日本人の例にもれず、私も話下手を自認してきたが、国連事務次長として活躍してこられた著者がどのような目で、世界のリーダーたちの話す力の魅力を分析し、日本の若い世代にどのようなアドバイスを贈るのかに関心を持った。著者が身近に接した多くの政治家やビジネスマンはいずれもスピーチの前に渾身の準備と練習を積み重ねているという単純な事実を結論とするのであるが、その具体的な努力の数々が興味深く、なるほどと思わせる説得力を持って提示されているところがこの書の眼目である。
世界を平和にするためのささやかな提案
黒柳 徹子/木村 草太/春香 クリスティーン 著
★2015.08.04 ヨシタケシンスケさんの『おもしろいことを考える』に感動しました。「別に眉間に皺が寄ってしまうような難しいことを考えたり、人に言うのが小恥ずかしくなるような真面目なことを議論しなくても、少しだけ世界を平和にする方法なら身近に沢山あるのかもね」と思いました。
ヨシタケさんのおもしろい帽子のかぶり方のイラストを見て、小学生の頃、男子達が体育帽をあんな風にかぶってウルトラマンごっこをしていたのを思い出し、私の頭の中の世界が一瞬にして少しばかり平和になりました。本当に「一見役に立たなそうなことにしかできないことがある」ものです。(^0^) ヨシタケさんの発想にはいつも楽しく驚かされます。(^0^)
世界の平和は、一人一人の平和から始まるのかもしれませんね。
表紙におもしろい帽子のかぶり方のイラストが描いてあったのも嬉しく思いました。
はるかな旅
岡上 淑子 著
★2015.06.17 とにかく、この写真集に出会えて本当に良かったの一言です。
ある程度歳を重ねると、感動で心が震える現象には、なかなか巡ってきません。現実の方がずっと過酷で残酷で幸せだからです。
でもこの作品集は、ずうっと私の中にある、気難く気まぐれな何かを、改めて気づかせてくれた物でした。
岡上淑子さんの作品に、圧倒的に女性が多いといのもよくわかります。
岡上作品の存在を知るきっかけになった、作品集です。出版してくださり、本当にありがとうございました。
生きていく民俗
宮本 常一 著
★2015.05.07 アフリカのザンビアで、現地の人に混じって家を建てたとき、日本人の暮らしが世界のほんの一部分でしかないことを知りました。
現在の日本人の暮らし方のルーツを知りたくて、そういう本を探したときに、宮本常一さんの本に出会いました。とくに、この「生きていく民俗」には、「なぜ働くのか。」その疑問に対する答え、職業の成り立ちについて書いてあります。かつての日本人がどのように生きていたのか、その息遣いが聞こえます。
現代社会で生き抜いていくための知恵が、かつての日本人の暮らしの中にあります。それはザンビアの人たちが自然のなかで育んできた生きる知恵と似たものでした。わたしたちが進歩し便利になる社会のなかで、豊かさとは、自ら選択自由であることを、この本から学びました。100年前、つまりわたしたちの御爺さんの御爺さんたちは、こんな暮らしをしていたと想いを馳せるタイムカプセルでもある素晴らしい本です。
おからパーフェクトマフィン
重野 佐和子 著
★2015.04.18 待望の重野佐和子の新作が届きました。素敵な写真と簡単なレシピが盛りだくさんの1冊で、ページをめくるたびに、嬉しくて手が震えました。
私自身もお腹がとても弱く、大好きなお肉を食べても、魚介類を食べても、乳製品の入った食品を食べても、すぐにお腹が下ってしまいます。だけど、カフェリコのマフィンだけは、カフェリコのケーキだけはお腹を崩しません。
理論に基づいた実践(レシピ)は、日本中のお腹を救うと信じています。多くの方にこの本が届きますように!
古今亭志ん朝
河出書房新社編集部 編
★2015.04.01 いま、売れっ子の噺が皆んな目指したり、憧れたり、勉強していた志ん朝師匠が浮き彫りになる本だとおもう。あとの世代の噺家さんたちのコメントも楽しかった。
世界の見方が変わる「数学」入門
桜井 進 著
★2015.03.11 短編小説のように始まり、この先どのような物語が待っているのか?とドキドキしながら読み進められました。
特に興味深かったのは、「集合」の先の物語です。少し難しいと感じる部分もありましたが、丁寧に読んでいくと今の私たちの生活に「集合」がどのように関わっているのかが、よくわかりました。
また、本書には少年時代の著者のエピソードも織り込まれており、その「自ら課題を見つけて、それを解決するための思考力、行動力」には目を見はるものがあります。
「おわりに」にも数学の雑学本とは一線を画する重要なことが書かれていました。
私も背中を押され、新たな一歩を踏み出すことができました。ありがとうございました。
銀の船と青い海
萩尾 望都 著
★2015.03.06 文庫版のご刊行おめでとうございます!
文庫本は小さくてどうかなと思いましたが、よみものの部分の字がだいぶ大きいので読みやすくてとても助かります。再読した「賞子の作文」に、本当はこうだったのにという切実で静かな思いがひしひし伝わって胸にジンときました。イラストポエム「さなぎ」にはドキッとして呆然としました。この絵!こんなにも透明な言葉を紡げるなんて…。「少女ろまん」はどうしても小ささが気になりますが綺麗な状態で読めるのは本当にありがたいです。そして坂田靖子さんの解説すばらしいです。原画展にてこの生原画を観られると思うと今からドキドキしています。
111歳、いつでも今から
後藤 はつの 著
★2015.03.05 表紙になっているはつのさんのお写真がとにかくおしゃれで美しい!
111歳はこんなに美しい姿で迎えることもできるのだとイメージが一新されました。
本を開いてみると、はつのさんの彩り豊かな絵が目に飛び込んできました。
子どものころの思い出を描かれたと新聞で読みましたが、楽しそうな声が聞こえてきそうな素敵な絵がたくさん。
さらに、本文を拝読して「はつのさんのこだわり」に感服いたしました。
着物の柄一つにしてもあいまいなところはご自身で資料で調べた上で描かれているとのこと。
「自分に手抜きをしない」
「どこででも、いつからでも学べる」
はつのさんの生き方から学ばせていただきました。
これからは、
「やればできないことはないのよ」
と自分に声をかけて生きていきます。
私の「これからを支える一冊」を届けていただきありがとうございました。
世界の見方が変わる「数学」入門
桜井 進 著
★2015.02.21 私は光学機構の設計技術者として人生を過ごしてきました。その経験を著作に綴っている昨今です。過日、図書館で「数学入門」を見ました。江戸時代、和算の状況が実感でき、今まで懸命に探していた情報が初めて得られました。昔の大学では教わらなかった「集合」も実効的に記述され、改めて勉強したいです。著者の桜井様には感謝感激です。「14歳の・・・」といわずに、成人向けに大判の本に編集なさると貴重な作品になりますね。
33年後のなんとなく、クリスタル
田中 康夫 著
★2015.02.15 康男節復活♪
あの頃キラキラしてるひと
今も健在です♪
途中下車
北村 森 著
★2014.12.26 15年程前、当時の上司がパニック障害になりました。その頃の私はパニック障害の知識がなく彼女を理解しようという努力もしませんでした。配置替えがあり一緒に仕事をすることがなくなりましたが、しばらくして彼女は会社を去りました。あの時なぜ私は無関心だったのか。むしろ無責任だと心の底で思っていました。病気になるのは、本人だけの問題でなく、周りの環境が大きく関係していることに、気づかされました。大企業と呼ばれる会社にいますが、会社のとった対応も彼女を大切に思っているものでは決してなく、問題に向き合っていません。心の病気が激しく増えているのは、一人一人の意識の欠如や見て見ぬふりをする企業側にも問題の温床があるのではないかと感じました。あの時、なぜ彼女の力になれなかったか、悔やまれてなりません。素敵な作品でした。多くの方に知ってもらいたいです。
新・何がなんでも作家になりたい!
鈴木 輝一郎 著
★2014.11.17 「なにがなんでも作家になりたい!」インパクトのあるこのタイトルに惹かれて手に取ったのが鈴木輝一郎との出会いでした。
抱腹絶倒、軽妙なギャグ、それでいて背筋も凍るような業界の裏話、それらを絶妙な加減で混ぜ込んだ本でした。
新人賞を取るという目的よりは、「取った後」「新人賞が射程圏内に入った」人向けに書かれていますが、リアルです。
あれから十一年も経つと、いろいろ業界も変化があるようです。しかし、作家を志す人間に取って必携の書であることはまちがいありません。
何がなんでも新人賞獲らせます!
鈴木 輝一郎 著
★2014.11.10 著者です。
誇張ではありません。本書の通りやれば必ずプロデビューできます──というか、させてきました。
前著「作家になりたい~」刊行の際、要望の多かった、
『新人賞が受賞できる小説の書き方実務編』
です。
「行き詰まらない小説の書き方」「複式履歴書法」「ストーリー優先法」などの執筆実務のほか、投稿後の「中間発表までの過ごし方」「予選落ちしたら」「最終選考に残ったらすること」、そして「1万枚の法則」にいたるまで、
『新人賞を受賞するための小説の書き方』に特化した小説の書き方本です。
鈴木輝一郎小説講座は全国屈指のプロデビュー率を誇っていますが、それは決してマグレではありません。
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン
トゥーラ・カルヤライネン 著 セルボ 貴子/五十嵐 淳 訳
★2014.10.20 ム-ミンは、小さいときからの大好きな物語。温かく、どこか懐かしい。誰もがそのム-ミンの姿を見るとほんわかと優しい気持ちになれる不思議なム-ミンの世界。
そのふんわりとした物語とは想像がつかないほどの、ト-べ.ヤンソンの人生。戦下の中、様々な恋愛、芸術に向き合ってきた波乱に満ちた人生。
この本を読んだあとで、もう一度フィンランドに旅をし、美術館を訪ね、作者の絵画を見て歩きたい。本にはたくさんの絵が入っていてとても美しいものばかりである。そして作者を思いながらム-ミンの物語を読み直してみたくなる永久保存版ともいえる素晴らしい一冊でした。