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編集担当が語る、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』

今年の1月からスタートした、フジテレビの月9ドラマ「いつかこの恋を思い出して
きっと泣いてしまう」。
幼くして母親を亡くし、北海道で養父母に厳しく育てられた杉原音と、祖父と二人で
過ごしてきた福島の土地を買い戻すために上京した曽田練。東京を舞台に、彼らを中
心とした6人の若い男女が、辛い過去を抱えながらも前を向いて精一杯生きようとす
る姿を描いたラブストーリーです。

切なくて胸が締めつけられる、と、さまざまな年代の男女から注目を集める本作の脚
本を手がけたのは坂元裕二さんです。坂元さんはこれまで、フジテレビ系「東京ラブ
ストーリー」や、向田邦子賞を受賞した「わたしたちの教科書」、芸術選奨新人賞の
「それでも、生きてゆく」、橋田賞受賞の「Mother」に、日本民間放送連盟賞最優秀
の「最高の離婚」「Woman」など、視聴者の心を揺さぶる数多くの名作を世に送り出
してこられました。加害者家族と被害者家族の葛藤、シングルマザー、児童虐待な
ど、最近では社会問題を根底にした作品も多く手掛けられてきた坂元さんによる久々
の本格ラブストーリーである本作「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」
にも、若者の貧困やシビアな現実が丁寧に描かれています。

登場する男女6人は、東京という土地で、それぞれが仕事や家族、生活の中で困難に
直面し悩みや痛みを抱えて生きる中で、誰かを好きになり、失恋し、傷つきます。で
も、その誰かを好きになった思いを支えにして必死で生きる彼らの姿は眩しく、まっ
すぐで切ない思いに毎回惹き付けられてしまいます。そして彼らの発する言葉ーー坂
元さんが紡がれる美しくて芯をとらえた台詞に、思わず涙してしまうのです。

「ずっと、ずっとね、思ってたんです。わたし、いつかこの恋を思い出して、きっと
泣いてしまう。って。わたし、わたしたち今、かけがえのない時間の中にいる。二度
と戻らない時間の中にいるって。それぐらい、眩しかった。こんなこともうないか
ら、後から思い出して、眩しくて、眩しくて、泣いてしまうんだろうなって」(「第
5話」の音の台詞より)

物語はいよいよ佳境に入ってきました。放送も残すところあと2回、5年もの間音信
不通になっていた練と音との再会、すれ違う6人の恋はどうなっていくのでしょう。
そして彼ら全員に幸せは訪れるのでしょうか。

時にクスッと笑えて、時に心に深く入り込んでくる珠玉の台詞をもう一度味わえる、
本ドラマのシナリオブック第1巻(第1話~第5話までを収録)が、現在好評発売中
です。そして、3月末には、完結編となる第2巻も発売されます。文字で読むと、新
たな発見や感動が広がる、このかけがえのない物語を、みなさんに改めて味わってい
ただけたら嬉しいです。
(編集担当)

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【ドラマ公式サイト】


(初出:『かわくらメルマガ』vol.97 かわくらセミナー「〈日本〉を考える」第3回 講師:大澤真幸 募集開始!)