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2015年11月の記事一覧

【社長メッセージ】
 
かわくら会員の皆さん、はじめまして。河出書房新社の社長をしております小野寺優
と申します。日頃は小社刊行物をご愛読いただき、またこの「河出クラブ」を通じて
小社に興味をもっていただき、心から御礼を申し上げます。

おかげさまで第52回を迎えた本年度文藝賞は、畠山丑雄著『地の底の記憶』、山下紘
加著『ドール』という二つの作品を受賞作とすることが出来、このたび単行本として
刊行することとなりました。この二つの作品が読者の皆さんにどのように受け入れら
れるか、この二つの新しい才能がこれからどのように成長してゆくか、今から本当に
楽しみです。

さて、小社は来年、創業130周年を迎えますが、その間、昭和37年にスタートしたこ
の文藝賞は常に小社の活動の中心にありました。それは恐らく過去も、そして今日に
おいても「新たな才能に出会う」ことほど、私たち出版社にとってワクワクし、その
意義を実感出来る仕事はなかなかないからではないかと思います。そしてそれは、読
者にとってもまた、最も楽しく、豊かな読書体験である、と私たちは思ってきまし
た。

しかし近年、その様相はずいぶん変わってきてしまったように思います。率直に申し
上げて、現在の出版界において新人作家を世に送り出す、というのはなかなか難しい
ことです。これから新たな受賞作を世に送り出そうという時にこのようなことを書く
のはおかしな話かもしれませんが、ここ数年各社の新人賞を見ても、その作家がいき
なりブレイクし、受賞作がベストセラーになる、ということは非常に稀有なこととな
りました。これは「売れなくて辛い」と出版社の愚痴を申し上げているのではありま
せん。「知らない作家の作品に触れてみたい」という、いわば読者の好奇心が薄れて
きていることに危機感を覚えているのです。

前述した通り、読書を趣味とするならば、「知らない才能に出会う」というのは、
もっとも豊かで楽しい経験のはずだと私たちは信じてきました。自分の感覚ひとつを
頼りに、知らない作家の本を買い、読んでみて「当たったぁ」とか時には「外れ
たぁ」などと一喜一憂し、友人に「あれ読んだ?」などと自慢する。時には作品をめ
ぐる解釈を闘わせる。そんな経験が、かわくら会員の皆さんならばあるのではないで
しょうか。それが当たりにせよ、外れにせよ、そういった経験を通じて私たちは自分
の好みを知り、自分なりの本の選び方を覚えていった。そして時には自分だけの傑作
を見つけ、気がつくとそれがうねりとなって、次の時代を担う作家が育っていった。
それがこれまでの流れだったように思います。

しかしながら、近年の傾向を見ていますと、「失敗したくない」、「話題に遅れたく
ない」という思いが強くなったためか、多くの情報が手軽に入手出来るようになった
ためか、人々は自分の感覚ではなく、ネット書店のレビューの星の数とかランキン
グ、つまりは他人の評価ばかりを頼りに本を買うようになってしまった。言わばそれ
は「多数決による読書」です。結果、大ベストセラーは生まれるけれども、それ以外
はサッパリ、という極端な二極化が生まれつつあります。無論、誰も失敗したいと思
う人はいませんが、だからと言って新しいものに手を出さない、というのは読書を
「文化」だとするならば、それはあまりに薄っぺらで、貧弱なもののように思えてな
りません。

いま、私たちはそんな「多数決による読書」から「個で選ぶ、個のための読書」を取
り戻す必要があるのではないでしょうか。そもそも、他人が5つ星をつけた本が自分
にとって5つ星かどうかなんて、全くわからないのですから。

その観点から申し上げると、今回の受賞作二作がすべての皆さんにとって5つ星かど
うかはわかりません。しかし、少なくとも私たちは、賛否両論、侃々諤々意見を闘わ
せるに値する、とても個性的で、新たな魅力にあふれた作品を送り出すことが出来
た、と自負しておりますし、大変嬉しく思っております。

ですから、勝手ながら皆さんにお願いを申し上げます。単行本でも、雑誌「文藝
2015冬季号」でも結構です。どうか、ご自身の目でこの二作品をお読みいただき、
ご感想を小社H.Pからお寄せいただけないでしょうか。そして、もし「お、これは
面白い」と思ってくださったならば、まさにここから飛び立ってゆこうとしている
二つの才能をご支援いただきたいと思います。

前述しました通り、おかげさまで来年、小社は創業130周年を迎えます。私たちはこ
れからも「新しい才能を世に送り出すこと」を大切に、そして皆さんに「こんな知ら
ない世界があったんだ」と思っていただける本を刊行することを目標に、ゆっくりと
歩を進めてゆきたいと思っております。どうか今後とも小社刊行物にご注目くださ
い。

いつか、どこかのかわくらイベント会場で、そして東京国際ブックフェアの小社ブー
スで、皆さんとお目にかかる日を心より楽しみにいたしております。

河出書房新社
代表取締役社長 小野寺 優


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *

【編集担当者が語る、第52回文藝賞】

去る10月29日(木)、第52回文藝賞贈呈式が山の上ホテルで行われました。
私事ですが、私は昨年、書籍編集部から文芸誌「文藝」編集部へ配属となりましたの
で、この「文藝賞」の一次選考から最終選考まで通して経験したのは、今回が初め
て。

賞の応募締切りは3月末日(消印有効)、届いた原稿は1700通強。そこから 4度の
予選を経て、最終候補4作まで絞ったところで、選考委員の方々(藤沢周氏、保坂和
志氏、星野智幸氏、山田詠美氏)による選考会へとたどり着きます。

今年の受賞作は、山下紘加『ドール』と畠山丑雄『地の底の記憶』の2作。
少年の「闇」と「性」への衝動を精緻な筆力で描いた『ドール』と、架空の土地を舞
台に100年の愛の狂気を壮大なスケールで描く『地の底の記憶』は、どちらも新人離
れした力作です。

贈呈式当日、壇上に立つ山下さん畠山さんの晴れの御姿を眺めながら、ここまでの道
のりを思い返し、舞台の袖で涙しました。......だって、新人賞を選ぶことが、こんな
に大変だとは予想もしてなかったんです! 現場を知らないうちは、正直、なんとな
くのイメージで、サラサラッと冒頭読めばその小説の良し悪しがわかるんでしょ? 
くらいに思っていました。舐めてました、とんでもない誤解でした。

一行目から何が書いてあるのかさーーーっぱり訳がわからない原稿も、仕掛けなので
はないか、なんかあるんじゃないかと読み進める、いや、読むべきなのが小説の新人
賞なんですね。しかも、応募作には特有の熱量があるといいますか、ひとつひとつに
並々ならぬ気合(念?)が籠っていますので、4、5作も読めばそのパワーにぐった
り、それが150日以上続きます。考えると当たり前です、小説の良し悪しなんて、そ
うそう簡単にわかるもんじゃない。選考とは、お前らにわかってたまるか、いや、わ
かってみせる、という応募作と選考側とのせめぎ合いなのでしょう、おそらく。

選考過程については非公開ゆえ、これ以上書くと編集長に叱られるので控えますが、
とにかく、この一年を経て、新人賞の選考とは非常に重大な責任が伴うものだと心し
た次第です。
受賞作の2作は、もちろん、どちらもぜひ皆さまに読んでいただきたい、新しい才能
です。ぜひページをめくっていただければ幸いです。

そして、次の53回文藝賞の締め切りもあと数ヶ月後に迫ってきました。新選考委員
は、斎藤美奈子氏、町田康氏、藤沢周氏、保坂和志氏です。
また全身全霊を込めて私どもが読みます。皆さまの作品をお待ちしております。

(「文藝」編集部M)

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【関連書籍】
山下紘加『ドール

畠山丑雄『地の底の記憶




(初出:『かわくらメルマガ』vol.89 文藝賞受賞作発売記念特集号)
はじめての小説『昨夜のカレー、明日のパン』が本屋大賞第2位に輝き、自身の脚本
でテレビドラマ化もされた、夫婦脚本家・木皿泉さん。夫婦で1つのペンネームを使
い、二人で1つの作品を紡ぎだす、その特異な創作の秘密と夫婦の日常に迫った、伝
説的なドキュメンタリー「しあわせのカタチ」のDVDに、「いま」のお二人に迫る特
製ブックがセットになった、『木皿泉~しあわせのカタチ~DVDブック』がまもなく
刊行されます。今号はその編集担当による裏話をお届けします。

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◎経験や体験を超える、木皿さんの言葉が持つ寄り添う力
編集部 中山真祐子
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いつもメルマガを読んでくださっているみなさん、ありがとうございます。
テレビドラマ「すいか」や「野ブタ。をプロデュース」「Q10」などで知られ、初
めての小説『昨夜のカレー、明日のパン』では本屋大賞第2位に輝いた、夫婦脚本
家・木皿泉さんの担当編集です。

ご存知の方も多いかもしれませんが、「木皿泉」は、夫の和泉努さん、妻の妻鹿年季
子さんのお二人による、共同ペンネームで、もう20年以上も一緒にひとつの作品を
創作されてきました。そんなお二人ですが、いわゆる脚光を浴びたのはそんなに昔の
ことではありません。ご記憶の方もいらっしゃるでしょう、2003年夏に放送され
たテレビドラマ「すいか」。この作品で2004年に向田邦子賞を受賞され、一躍有
名になられたのですが、今から考えると、それはほんの12年ほど前のことなので
す。そして、いよいよこれから、という同年10月のある夜、トムちゃんこと和泉さ
んが脳内出血で本当に突然、倒れてしまいました。できてしまった血腫はあまりにも
大きく、深夜2時、7時間を超える緊急手術が行われました。ご存知の通り、和泉さ
んは無事、生還したのですが、左半身は麻痺、要介護の状態となり、ときちゃんこと
妻鹿さんによる献身的な介護の日々が始まったのです。

そんなお二人に密着し、夫婦の創作の裏側と生活の日々に迫ろうとしたのが、ギャラ
クシー賞も受賞した伝説的なドキュメンタリー「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉
 "創作"の世界~」です(NHK BSプレミアム、2011年)。手がけたテレビドラマの数
も少なく、メディアへもほとんど登場しなかった木皿さんのファンの中には、「木皿
泉」が夫婦の共同ペンネームであることを知らなかった方も多勢いらしたでしょう。
ほとんどベールに包まれていたその正体を、創作の裏側だけでなく、お二人の日常生
活まで赤裸々に描き出したこのドキュメンタリーに、熱狂的なファンは大変驚いたこ
とと思います。もちろん、私もその一人でした。当時、すでに前担当から木皿さんの
編集担当を引き継いでいた私は、お二人からこのドキュメンタリーが放送されること
を聞き、当日テレビの前で楽しみに放送を待っていました。そして放送が始まったそ
の画面には、木皿さんたちがいつもと変わらない様子で映っていました。自宅で介護
される和泉さんも、それを見守り、時に和泉さんを守ろうと闘う妻鹿さんも、本当に
ありのままでした。お互いを必要とし、お互いを大切に思い、お互いを尊重し、そし
てなにより二人で暮らしているのが楽しくてしかたがない、という様子のご夫婦。見
ているだけで何かこみ上げてくるものがあって、気づくと瞬きすることも忘れて、テ
レビにかじりついていました。

きっと、同じようにご覧になった方も多いと思います。現に、私のまわりには、この
番組を録画して何度も何度も見ている、という方が何人もいます。中には、人生で
迷ったとき、悩んだときにこそ見て、大切な何かをもらうのだ、という方もいまし
た。それくらい、この番組には真実があって(裏を返せば真実しかなくて)、見てい
る人にもう一度「自分が本当に大切にしていること、大切にしたいこと」を思い起こ
させてくれる力があるのだと思います。

そんな素晴らしい番組ですが、再放送された回数はとても少なく、特に最近木皿ファ
ンになった方々の中にはご覧になれていない方も多いと思います。見たいのに、見ら
れない。そんな声にこたえようとしたのが、今回のDVDブック企画でした。NHKエン
タープライズの方から、「あの番組をDVDブックにしませんか?」とお電話をいただ
いた時から、すべてが始まりました。まさかあの番組がDVDになるなんて、しかも特
製ブックを自分が編集できるなんて。こんな幸せなことはない、と思ったあの瞬間の
ことは絶対に忘れられません。

そうやってスタートしたこの企画、何か特典を付けたいね、という話になり、DVDの
方は、番組のディレクター(監督)である茂原雄二さんのご協力のもと、放送から4
年後の「しあわせのカタチ」として、お二人の特典映像、さらにお二人と茂原監督が
番組を見返す模様を収録した副音声を付けられることになりました。

そして、肝心の特製ブック部分。「しあわせのカタチ」を補い、さらに飛躍させるた
めには、一体どんな内容のブックがいいだろう。「しあわせのカタチ」を改めて見返
しながら、ひとつひとつ、入れたい内容を書き留めていったのですが、中でもどうし
ても入れたかったものがひとつ、あります。それが、和泉さんが脳内出血で倒れたと
きに、妻鹿さんが付けていた闘病日記の全文です。この日記、番組では少しだけ紹介
されているのですが、もっと膨大な量がありそうだという感じがしました。チラッと
映っただけでも伝わってくるのは、妻鹿さんが紡いだ生の言葉。それは決して派手な
言葉ではありませんが、だからこそダイレクトに胸を打ちました。「この日記、他に
は何が書かれているんだろう? もっと読みたい」そう強く思い、木皿さんに闘病日
記全文を掲載させて頂きたい、とお願いしたのが6月頭のこと。即答で「いいよ!」
とOKを頂けて喜んだのも束の間、数日経ったある日、木皿さんから「日記が見つから
ない」と連絡が入ります。「トムちゃんが回復したら見せてあげようと思ってつけた
日記だったから、走り書きしたノートの最初の方だけ、清書をしたんだけど、その清
書しか見つからないのよ。どこかにはあると思うんだけど......」せっかく掲載できる
と思ったのに。目の前が真っ暗になるとはこういうことか、というほど落ち込んでし
まいましたが、見つからなかった場合、その清書だけでも掲載しよう、とお話しし
て、涙を飲んだのです。そして日記全文が見つかることをひたすら祈っていました
が、待てど暮らせど出てくる気配はなく、もうだめか、と諦めかけて1ヵ月ほど経っ
たある日。出てきた!という朗報とともに、そのノートがやってきたのです。

ノートが出てきたのにも実はエピソードがあります。トムちゃんが倒れたその頃、木
皿さんがレギュラーで書いていらしたラジオドラマ番組で「ON THE WAY COMEDY
道草」というものがあります。約8分のドラマを月曜から木曜まで毎日放送してその
1週間(全4回)を通して1つのシリーズになる、という2001年から2008年
まで続いた番組です。この「道草」、もとはと言えば、1998年にCSチャンネルで
放送された木皿さん作の「くらげが眠るまで」というシットコムを見たある広告代理
店の方が、こんな番組をラジオでやりたい、と企画して木皿さんに打診したというの
がはじまりだったのだそうです(木皿さんが脚本を担当した「道草」作品について
は、河出文庫で全4冊を刊行させて頂いています。木皿さんの作品のエッセンスがつ
まったものばかりです。ご興味のある方はぜひご覧頂ければ嬉しいです)。そして木
皿さんは、和泉さんが倒れたあとの大変な日々の中でも、この「道草」の脚本だけは
やめずに続けました。そんな日々を知っている前述の担当の方が木皿さんのお宅にお
邪魔していたある日、ポロッと闘病日記がどこからか転がってきたのだそうです。当
時もお見舞いに駆けつけ、担当医を拝んでいた、などと日記に何度も登場するこの担
当さん。そんな日々を読むことができるのも、彼のおかげだ、と感謝してもしきれま
せん。

さて、闘病日記の話に戻ります。この日記は、和泉さんが倒れた10月15日から1
1月15日までの一ヵ月間の記録です。和泉さんが回復したとき、きっと当時のこと
を知りたいだろうから、とつけられたものなので、和泉さんが読むことだけを前提に
書かれていました。その日のできごとや会った人、食べたごはんの内容など、和泉さ
んに関係あることはもちろん、関係のないことも含めて淡々と綴られているのです
が、そのシンプルさこそがとてもリアルなのです。過剰な言葉はひとつもなく、すべ
てが、出来事も感情も含めて、ありのままに記録されているだけなのに、それが痛い
ほど胸に迫ります。和泉さんが倒れた日の夜中、長い手術を待つ間にこんな文章が綴
られています。

「生きていてくれさえすれば絶対に幸せになれると確信する。2人の幸せに暮らす様
子が頭に浮かぶ。こんな時に、幸せなシーンが、こんなにリアルに見えるとは、自分
でも驚く。(中略)私はトムちゃんとどんな形であれ、また一緒に暮らしたい。そし
て、一緒に仕事をしたい。私にとって人生は、それだけだ。それが一番やりたかった
ことだ。」

二人の闘病の日々と同じような経験をされた方はそんなにたくさんはいらっしゃらな
いでしょう。私も経験したことはありません。ですが、この日記を読んで木皿さんの
日々を追体験すると、種類は違うけれど、何か自分にも同じように深く傷ついたこと
があったのではなかったか、どこかしら似た体験をしたことがあったのではなかった
かと気づくような気がするのです。そして、木皿さんの言葉に触れることで、その辛
かった思いや経験を解放できるような気がします。それくらい、日記に綴られた木皿
さんの言葉には、誰に対してもそっと寄り添う力があります。ここに書かれているの
は、木皿さんの個人的な体験ですが、ここから得られるものは、誰に対しても開かれ
ているのだと思います。

この日記、日を追うごとに文章が短くなって、突然プツンと終わるのですが、それこ
そ、和泉さんが回復してきた証拠だなぁと感じます。今回の日記掲載にあたって、プ
ツンと終わってしまったその後の日々のことを、木皿さんが追記として書いてくださ
いました。日記に登場する人々がどうなったか、などもわかって、なんだか光がさし
ているような追記、ぜひ、あわせてご覧いただきたいです。

闘病日記の他にも、妻鹿さんがシナリオライターとしてデビューした幻のラジオドラ
マシナリオ「ぼくのスカート」や、「しあわせのカタチ」のために作られ、放送され
た番組内ドラマ「世の中を忘れたやうな蚊帳の中」のシナリオ、そのドラマの核
(テーマ)となるものだと和泉さんが示した寺田寅彦の短い文章、そして今の二人の
生活に密着したフォトアルバムなど、お宝が満載の一冊に仕上がりました。珠玉のド
キュメンタリーとともにみなさんに楽しんでいただけたなら、これほど幸せなことは
ありません。

(初出:『かわくらメルマガ』vol.87「編集担当者が語る、『木皿泉~しあわせのカタチ~DVDブック』ができるまで」)