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ウンベルト・エーコの遺作『ヌメロ・ゼロ』、今秋刊行予定!

全世界で1000万部以上売れているベストセラー『薔薇の名前』を著したイタリアの知の巨人ウンベルト・エーコが2月19日死去。遺された最後の傑作『ヌメロ・ゼロ』、今秋刊行予定!


『ヌメロ・ゼロ』は、2015年5月にイタリアで刊行されて以来、すぐさま25万部突破、世界74カ国で翻訳が開始されました。
ミラノの新聞社を舞台に、大きな事件でも人がいかに忘れやすいか、人の記憶がいかにあやふやか、そこを狙う情報操作がいかに容易かを描き、情報社会にどっぷりと漬かる我々の思考の危うさに警鐘を鳴らす、まさにいま、読んでほしい小説です。

【内容】
ある新聞のパイロット版を手がけるという名目のもと、「握りつぶされた真実を告発する新聞の創刊」を目指す編集部。しかしその新聞発行の裏には、出資者の利益を考慮した歪んだジャーナリズムの恐ろしい陰謀が隠されていた──

【書評より】
*エーコはアイロニーをこめて情報のメカニズムを描く。その裏にあるのは、私たちがいかに無関心になれるかへの警告である。(ラ・スタンパ)
*『ヌメロ・ゼロ』は読者に対してエーコが企てた陰謀である。その目的は読者に、誤った情報や悪しき報道から身を守ることができるように、より多くの分析手段を与えることだ。読者はエーコに感謝すべきである。(Il Sole 24 Ore)
*ミステリー色の濃い小説の形をとりながら、エーコはこのように言っている──ある種のメディアが語ることはすべて、別の真実を隠しうる。「新聞はニュースを広めるためではなく、隠すためにあるのだ」とは登場人物の一人の言葉だ。(Web Magazine)

ウンベルト・エーコ(Umberto Eco)
1932年イタリア生まれ。2016年2月19日死去。80年発表の『薔薇の名前』でストレーガ賞、およびメディシス賞受賞。作家、評論家、哲学者、記号論学者として知られる。主著書に『記号論』『フーコーの振り子』『バウドリーノ』『プラハの墓地』他。
【書籍情報】 
書名:ヌメロ・ゼロ
著者:ウンベルト・エーコ
訳者:中山エツコ
発売日:2016年9月
体裁:46判・224頁
本体価格:予価2000円(税別)
ISBN :978-4-309-20703-2

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