社会を映す鏡とも言われる「現代アート」。 アメリカでは、グッゲンハイム美術館が大統領就任まもないドナルド・トランプに "黄金でできた便器" 作品の貸与を提案し、左右両派のあいだで激論が起こりました。日本では、ご存じのように「あいちトリエンナーレ」を中心にさまざまな話題がくすぶりつづけています。「現代アート」は、つねに表現の自由の試練にさらされているジャンルのひとつなのです。 一方アートは、これまでさまざまな感染症をテーマにしてきました。黒死病、結核、スペイン風邪、そしてエイズ......。パンデミックなどの巨大災害は、政治権力による関与や圧力を呼んで、表現の自由にも大きな制限をもたらします。新型コロナウィルスによる今回の感染症は、「現代アート」をはじめとする芸術表現にどのような影響を与えていくのでしょうか。
「政治とアート」のあいだに緊張が生じています。その危機的状況に際して、アートジャーナリズムの第一人者・小崎哲哉さんがさまざまな事例を紹介・分析し、芸術表現分野のゆくえを鮮やかに予言したのが本書『現代アートを殺さないために──ソフトな恐怖政治と表現の自由』です。 今回は、批評家の浅田彰さん、ジャーナリストであり「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督をつとめた津田大介さんをおむかえし、本書でも大きなテーマとなっている「あいちトリエンナーレ」を含む "表現の自由と未来" をテーマに語り合っていただきます。 現代アートを通して社会を考えることのスリリングなおもしろさを、ぜひご体験ください。
日時 2021年1月29日(金) 19:30~21:30
オンラインにて開催
主催 ジュンク堂書店池袋本店
電話 03-5956-6111
お申し込みは下記URLから
<登壇者紹介>
浅田彰(あさだ・あきら) 批評家。ICA京都所長。京都芸術大学教授。同大で芸術哲学を講ずる一方、政治、経済、社会、また芸術諸分野においても多角的・多面的な批評活動を展開する。著書に『構造と力』『逃走論』『ヘルメスの音楽』『映画の世紀末』、対談集『「歴史の終わり」を超えて』『20世紀文化の臨界』などがある。
津田大介(つだ・だいすけ) ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。あいちトリエンナーレ2019芸術監督。著書に『情報戦争を生き抜く』『ウェブで政治を動かす!』『動員の革命』『情報の呼吸法』『Twitter社会論』ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。
小崎哲哉(おざき・てつや) アートプロデューサー/ジャーナリスト。『03』副編集長、『ART iT』『Realtokyo』『Realkyoto』編集長を経て、現在ICA京都ウェブサイト内のウェブマガジン『Realkyoto Forum』編集長(2月公開予定)、京都芸術大学大学院教授。編著書に『百年の愚行』『続・百年の愚行』。著書に『現代アートとは何か』。