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千葉雅也が語る『動きすぎてはいけない』とは?

発売前から大注目されていた書籍、千葉雅也さんの『動きすぎてはいけない』
がついに発売となりました。

◎『動きすぎてはいけない~ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』●2625円
つながりすぎ、動きすぎで〈接続過剰〉になった世界で「切断の哲学」を思考
する画期的ドゥルーズ論――浅田彰、東浩紀両氏が絶賛する思想界の超新星、
衝撃のデビュー!
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309246352/

なんと、浅田彰さんと東浩紀さんがW推薦!

「ドゥルーズ哲学の正しい解説? そんなことは退屈な優等生どもに任せてお
け。ドゥルーズ哲学を変奏し、自らもそれに従って変身しつつ、「その場にい
るままでも速くある」ための、これは素敵にワイルドな導きの書だ」---浅田彰

「超越論的でも経験的でもなく、父でもなく母でもない「中途半端」な哲学。
本書は『存在論的、郵便的』の、15年後に産まれた存在論的継承者だ」---東
浩紀

発売に併せて、かわくらメルマガに千葉さんから本書にコメントをいただきま
した。

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 動きすぎてはいけない。動くというのは、同じひとつの持ち場に留まるので
はなく、他所へ、他者の方へ向かい、自分を他者に関係づける=接続すること
を意味しています。したがって、動きすぎないというのは、自分を他者に関係
づけすぎないということです。が、動かないのではない。他所へ、他者へ関心
を向けるのをやめて「ひきこもり」に徹しようというのではありません。動か
ないのではない、「すぎない」くらいに動くのです。関係=接続を過剰化はし
ない。それは、世界のすべてにつながろうとしないことであり、また、そもそ
も世界のすべては(潜在的に)つながっているという世界観を放棄することに
なるでしょう。諸々の関係が、あちこちで「ある程度は」切断される。本書で
は、ドゥルーズ、およびドゥルーズ&ガタリの哲学の核心は、関係の「接続と
切断」のあいだの「と」、そこで作動する「~しすぎない」というレトリック
である、という仮説を携えて、彼(ら)の哲学を初期から晩年まで旅します。
 一方の極には、世界のすべてが関係している=接続されている「かのよう
に」語るドゥルーズがいる(接続的ドゥルーズ)。他方の極には、世界をバラ
バラに断片化してしまう文脈も見いだされる(切断的ドゥルーズ)。こうした
両極のあいだで、「動きすぎてはいけない=関係しすぎてはいけない」という
曖昧な主張がなされるのです。では、関係「しすぎない」というレトリック
(程度の問題)は、ドゥルーズの哲学システムのなかにおいて、どのような位
置をもっているのでしょうか?
 ドゥルーズは或るインタビューで、「生成変化を乱したくなければ、動きす
ぎてはいけない」と述べました。本書は、古代中国の箴言のようなこのフレー
ズに対するひとつの解釈です。生成変化する(becoming, devenir:~にな
る)こと、変身すること。そして、関係しすぎないということ。あれこれに関
係しすぎないからこそ、生成変化を、変身を、ラディカルに達成できる......こ
れは、どういうことなのでしょうか?

千葉雅也
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答えはきっと本書に...!

◎刊行記念イベントがあります。ぜひぜひ。
千葉雅也さん&國分功一郎さんトークイベント
『動きすぎてはいけない』(河出書房新社)刊行記念
日時:2013年11月8日(金)午後7時~
会場:西武池袋本店別館9階 池袋コミュニティ・カレッジ28番教室
参加チケット:1000円(税込)
チケット販売場所:西武池袋本店書籍館地下1階リブロリファレンスカウンタ
お問合せ:リブロ池袋本店 03-5949-2910
http://www.kawade.co.jp/news/2013/10/118-1.html

◎同じくリブロ池袋本店のカルトグラフィアでは、千葉さん選書によるフェア
「切断と接続のスタイル」を開催中です。選書リストも配布中とのこと。
お近くにお立ち寄りの際はぜひ。

◎現在注文殺到につき小社では品切中です。
お近くの書店にてぜひお手にとってみてください。

(初出:『かわくらメルマガ』vol.28 千葉雅也が語る『動きすぎてはいけない』とは?)