昨年末、現代中国で最も勢いのある女性作家・盛可以(せい・かい)さん初の長編邦訳
『子宮』(河出書房新社)が刊行されました。
ノーベル文学賞作家・莫言氏に「大胆不敵な才能」と称される盛さんが、"生命最初の繁殖地"である子宮を巡り、現代中国の農村と都市に生きる四世代・五姉妹の物語を圧倒的ダイナミズムで描いた
『子宮』。
本作の刊行を記念して、桐野夏生さんをゲストにお迎えし、盛さんとのオンライン対談をおこないます。
閉塞的状況から逃れようとする主婦たちのクライムノベル『OUT』から、代理母出産をテーマに予言的ディストピアを描いた『燕は戻ってこない』など、30年間の作家人生で、厳しい現実を生き抜く女性たちのリアルを書き続けてきた桐野さん。
また、女性初の日本ペンクラブ会長として、表現の自由を巡り海外の作家と積極的に交流されています。
実は
『子宮』の企画段階から、編集者に「盛さんを日本の作家でたとえるなら誰でしょうか?」と聞かれた訳者が、「キャリアは違いますが、社会的なテーマを扱い、女性のための表現をしている桐野夏生さんでしょうか」と、お名前を挙げたのが桐野さんで、このたびまさに夢のような機会が実現しました。
両作家の響き合うテーマや、女性に向けて表現すること、さまざまな社会の困難と文学の役割など、多岐にわたりお話しいただきます。
3月8日国際女性デーの夜、貴重な日中作家対談です。リアルタイムも1週間のアーカイブも無料でご覧いただけます。ぜひご参加ください。
【日時】
3月8日(水)日本時間19時<終了済>
※3月16日深夜23時59分までアーカイブ映像を無料でご覧いただけます。通訳音声は中国語→日本語のみです、ご了承ください
【出演者】
桐野夏生(きりの・なつお)
1998 年に『OUT』で日本推理作家協会賞、99 年『柔らかな頰』で直木賞、2003 年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04 年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05 年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08 年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09 年『女神記』で紫式部文学賞、10年、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。15 年に紫綬褒章を受章。21年には早稲田大学坪内逍遙大賞、『燕は戻ってこない』で2022年度の毎日芸術賞を受賞。『日没』『インドラネット』『砂に埋もれる犬』など著書多数。最新刊に『真珠とダイヤモンド』。日本ペンクラブ会長。
盛可以 (せい・かい Sheng Keyi)
1973年、中国湖南省生まれ。『北妹』『水乳』などこれまで9作の長篇小説を発表。英国を始め各国で翻訳され受賞歴多数。『子宮』が長篇初邦訳。
【主催・問い合わせ先】
主催 河村昌子
協賛 河出書房新社