私たちは日々、気づかぬうちに「こちら」と「あちら」を分けながら生きています。
国境、文化、言葉、そして価値観――境界線は、世界の遠くにも、わたしたちの足元にもあります。
地理学者の内藤正典さんは、長年にわたりイスラム社会やヨーロッパの移民問題を研究し、見えない境界が生まれるしくみを明らかにしてきました。ガザの留学生を迎えたり、アフガニスタンの政権側とタリバン代表部の双方を招き対話の場をつくったりと、その豊富な経験から、「排除」や「共生」といった言葉の裏にある人間の感情と構造を見つめ、発信を行なっています。
一方、文筆家・イラストレーターの金井真紀さんは、絵とことばで人々の暮らしを描きながら、仲間と立ち上げた「難民・移民フェス」を通して日本の現実に光をあて続けています。プロフィールに「任務は多様性をおもしろがること」とあるように、金井さんの著作はどれも、大きく複雑な問題すら、手に取りたくなる親しみを覗かせています。
異なる立場にいながらも共通するのは、「理解するとはどういうことか」という問いへの誠実な関心です。今回、お二人が語り合うのは「あなたとわたしの境にあるケア」。
ケアとは、他者に配慮することにとどまらず、知らない誰かに関心を向け、理解しようとする行為そのもので、「知らない誰かを知ろうとする」態度でもあります。移民や難民の問題を通して、私たちの社会がどんなふうに変わりうるのか――そして、私たち自身の心のあり方がどんなふうに広がるのか。境界の向こうにある「他者」ではなく、境界のこちらにいる「わたしたち」の物語を、一緒に探っていただきます。
みなさまのご参加をお待ちしております。
日付・時間
2025年11月20日(木)19:30-
イベントURL
主催・問い合わせ先
本屋B&B
event (at) bookandbeer.com ※(at)を@に変換して送信してください