皆川博子さんの『風配図』が第34回紫式部文学賞を受賞しました。
【第34回紫式部文学賞受賞作】
【皆川博子さん受賞コメント】
紫式部の名を冠した賞をいただき、たいそう光栄に存じます。
十二世紀のバルト海交易、決闘裁判など、
二十一世紀の日本の読者におよそ馴染みのないことを書きました
この作に目をとめていただけたことが、まことに嬉しゅうございます。
私が生まれた昭和初期は、男尊女卑が当然とされていました。敗戦のとき、私は十五歳でした。
突然、戦勝国から民主主義、男女同権を強制されたのですが、
その本質を理解している大人は周囲にほとんどおらず、男性優位は続きました。
家長が絶対権力を持つ中で、自力で生きていこうとする十二世紀の少女たちに、
時代を超えて、共感していただけたのでしょうか。
バルト海の交易史研究や法文化史研究を専門とされる先生方から多大な学恩を賜わりました。
老齢で取材旅行のできない作者に代わり、担当編集の方は現地を訪れ資料や写真を調えてくださいました。
受賞の喜びを、協力してくださった多くの方々と分かち合いたいと思います。
【主催者サイト】